地方自治の本旨に基づき

市町村合併をしない宣言をした矢祭町

2002年 5月19日 No.614

 五月十一日・十二日に、東京多摩自治体問題研究所主催の「日本国憲法を生かした地方自治をつくる」講座が開催され、日本共産党羽村市議団も参加しました。講師は月刊「住民と自治」編集長の池上洋通氏です。その中から「合併しない宣言をした矢祭町」について高橋議員に聞きました。

合併しない宣言で反響よんだ福島・矢祭町

 人口約七〇〇〇人、久慈川の清流など美しい自然環境に恵まれた福島県・矢祭町の町議会は平成十三年十月三十一日、全会一致で「市町村合併をしない矢祭町宣言」を決議しました。「矢祭町は今日まで『合併』を前提とした町づくりはしてきておらず、独立独歩『自立できる町づくり』を推進する。」「矢祭町における『昭和の大合併』騒動は、血の雨が降り、お互いが離反し、四十年過ぎた今日でも、そのしこりは解決しておらず、二度とその轍を踏んではならない。」という思いからです。
 矢祭宣言には「勇気ある宣言」「哲学なき合併論に一石」「郷土愛の高さに共感」など、応援メールが届いているということです。

国は理解求め、知事は自主的な判断を尊重

合併を推進する総務省担当者は、矢祭町役場での話し合いで合併への理解を求めましたが、町側は「合併しないから住民サービスが低下するものではない。逆に住民の目の届くところまで事業ができる」と宣言を翻す考えのないことを示しました。
 県知事は定例記者会見で、合併しない宣言を決議した矢祭町について「(各市町村は)結論を出す力を持っている。そうした力を大切にしたい」と語りました。

合併押しつけは住民の幸福につながらない

 国は「自主的な」とは言いながら「市町村の合併を強力に促進する必要がある」と「アメとムチで」合併を押しつけようとしています。しかし、過去の合併でも問題があったのは矢祭町だけでなく、お隣り瑞穂町でもいまだに問題を抱えているようです。 羽村市は、先人の進取の気性を誇りに羽村らしい町づくりを進めてきたと思います。健康や福祉の増進、住民の幸福につながる「地方自治」を皆で考えましょ

「市町村合併をしない矢祭町宣言」の決議
 国は「市町村合併特例法」を盾に、平成17年3月31日までに現在ある全国3,239市町村を1,000から800に、更には300にする「平成の大合併」を進めようとしております。
国の目的は、小規模自治体をなくし、国家財政で大きな比重を占める交付金・補助金を削減し、国の財政再建に役立てようとする意図が明確であります。
市町村は戦後半世紀を経て、地域に根さした基礎的な地方自治体として成熟し、自らの進路の決定は自己責任のもと意思決定をする能力を十分に持っております。
地方自治の本旨に基づき、矢祭町議会は国が押しつける市町村合併には賛意できず、先人から享けた郷土「矢祭町」を21世紀に生きる子孫にそっくり引き継ぐことが、今、この時、ここに生きる私達の使命であり、将来に禍根を残す選択はすべきでないと判断いたします。
よって、矢祭町はいかなる市町村とも合併しないことを宣言します。
               (後略)
    平成13年10月31日
                     福島県東白川郡矢祭町議会