羽村民報 No.668 2003.7.13

情報公開条例 討論

「自治体情報を市民が充分に知り得る」保障の上でこそ「参画と協働」のまちづくりが可能

市の提案の情報公開条例について、4会派(共産党・ネ・民・羽)共同提案の修正案に賛成の討論を市川英子議員が行いました。


 一・「知る権利」を入れてこそ、憲法92条「地方自治の本旨」がいきる
地方自治体の長は国と違い、議会を通して住民に責任を負う議会制民主主義と並んで、議会を通さずに住民に直接責任を負う直接民主主義的な直接行政責任もある。住民リコール制はその制度的あらわれである。憲法92条が保障する「地方自治の本旨」の中には「住民自治の原理」が含まれている。「住民自治とは、住民の意思が自治体行政になるべく直接に反映され、住民は自治体に直接、行政責任を追及出来るという直接民主主義を含む原理です。そういう意味からも、市長を選挙で選ぶ制度は住民自治の原理にそった仕組みです。それらのうえにたって地方自治法では、住民にたとえば「住民監査請求」「条例請求」などの直接参政の権利をいろいろ保障しているのです。しかし、これらの住民直接参政権が有効に生かされる条件として「自治体情報を住民が充分に知りうるということが肝心で「情報なくして参加なし」といわれるのもこの考えからです。つまり、「住民自治的な知る権利」を保障する自治体の情報公開でなければならないと考えます。従って市が提案している市民の権利だけでは、92条の基本的な考え方からはずれると思います。また、市の持つ生活関係情報を市民が知ることは、人間が人間らしい生活の保障を求める事につながる「生存権的な知る権利」を保障することになります。さて、情報公開条例を改正している最近の自治体をみると「知る権利」を目的に入れている市が目立ちます。92条と「知る権利」は誰が考えても切り離す事は不自然だからです。

 二・市政情報の開示義務について。
 羽村市もそうですが、自治体は、持っている情報を積極的に公表・広報しています。市民に直接責任を負うという点から見れば当然のことです。 ですから市民が情報公開条例を使わなくても提供できる情報は多い方が良いわけです。担当の窓口に行けばすぐ出してくれたり、すぐでなくてもわざわざ条例を使わなくても提供できる情報もあります。しかしここでどうして「情報公開条例」が必要になってくるのかといえば、情報公開というのは、市が情報提供をしようと普段思っていない情報を、市民が必要としてのぞみ、それを「権利」として公開請求できる。という所に意味があります。今回の情報公開改正によって、「オープンにして公正」という市民に信頼される自治体行政が作り出されなければならないのです。開示義務の窓口を狭くすることは極力避けるべきです。又あるべき公文書が作成・整理されていないことから情報の提供が出来ないなどと言うことは、あってはならないことです。
今回の改正案でこれまでの課題であった、意思形成情報の公開度がどうかといえば何も変わっていない。ということが審議の過程の中で解りました。特に、「おそれ」という言葉で情報提供をしない方向の選択が幅広く取られることが明らかであります。「何かが起こるのではないかという心配」を誰がするのかと言えば市ですから、市が心配とすれば全て非公開となり、本来の情報公開の持つ意味、市民の知る権利は「恐れ」のひとことでつぶされることになります。事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼす具体的な例とすれば、「各種試験問題」「立ち入り検査計画」などで誰が考えても納得の行く内容でなければならないのです。「おそれ」の幅広さから担当の考え一つで、同じ情報が公開される場合と、されない場合が考えられます。修正案にあるように「明らかなもの」として出来るだけあいまいさを残さないことです。ここで考える必要があるのは「意思形成情報」の公開を市民から請求がだされるということは、そこには、「住民参加条例」が出来ていないことや「参画と協働」の条例を考えてもいないという羽村市の問題を含んでいるということです。現に羽村にない以上、羽村市自身は自ら最も厳格な対応を92条に照らして実施すべきであり、「おそれ」「おそれ」で乗り越えようなどと言うことは厳しく律すべきであります。

 三・開示決定等は迅速に
 情報公開は、「生存権的知る権利」として市民に保障されている権利であることから、一日も早い情報の提供が求められます。整理されている情報ならばすぐ提供できるでしょうし、探したりする場合も一週間以上の時間が必要ということは考えにくい事です。市民の納得のいく期限にすべきです。狛江市では年間に一千件以上の申請がありますが一週間の期限でトラブルもないそうです。原則7日・最大30日が妥当と考えます。

 四・手数料は市民以外の場合でも無料にすべき
地方自治の本旨という考えをはっきりさせた中での公開条例を制定する自治体が増える中、多くの自治体が自分の市以外の人に対しても手数料無料の立場に立っています。市民の権利を明らかにという市の提案と照らしても、お金のある、ないで請求権が行使ができるか、できないかの色わけをすべきではないと考えます。つまり、自分の市の市民だからとか、他の市民だからとかの次元での線引きは「情報公開条例」についてはなじまないと考えます。