羽村民報 No.713 2004.7.11
6月議会に市民から提出された「生活保護基準の引き下げと国庫補助の削減の中止を求める陳情書」について、高橋みえ子議員は「採択すべき」との立場から討論しました。要約してお知らせします。
憲法第25条は「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有す
る。A国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障、及び公衆衛生の向上
及び増進に努めなければならない」と 国民の生存権、国の保障義務を明記しています。
生活保護法は、憲法25条の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対
し、必要な保護を行い生活を保障し、自立を助けることを目的としています。
現在、長引く不況やリストラ、倒産・廃業などに加え、病気などにより、生活保護
の支給を受ける世帯が増えています。羽村でも例外ではありません。
健康で文化的な最低限度の生活を営むために、陳情3項目を採択することに賛成です。
1、生活扶助基準の引き下げはしないこと
政府は生活扶助基準を平成15年度すでに0・9%引き下げ、平成16年度には0・2%、引き下げました。今後、さらに生活扶助基準を引き下げようとしています。生活保護制度は、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために、国が生活に困窮するすべての国民に対し、必要な保護を行い生活を保障するものですから、生活扶助基準の引き下げはすべきではありません。
2、老齢・母子加算の廃止などしないこと
政府は平成16年度、老齢加算の廃止を実施しました。羽村では80人が対象で、これまで、16,680円だった老齢加算が16年度は8,800円に削られました。17年度はさらに半分ぐらい削られ、18年度はゼロになります。段階的に削られるのは現在の受給者であり、新しく対象になった人は、初めから老齢加算は付きません。
老齢加算について厚生労働省は、「1999年の調査をもとに算出したところ、70代の消費支出が少なく、あえて加算する必要性が認められなかった」などと説明しているようですが、高齢者からは「保護費が少ないから消費できないんだ」との怒りの声や、「1食ぬかなければならなくなる」「生活できない」など悲痛な声が
上がっています。高齢になると病気がちになったり身体の衰えがあったりして、若い方には理解できないような出費もたくさんあります。だから老齢加算なんです。老齢加算は、廃止すべきではありません。
今回は見送られましたが母子加算の廃止も弱いものいじめでやるべきではありません。
3、現行の生活保護への国庫負担は削減しないこと
現行の4分の3の国庫負担を3分の2に削減しようとするもので、これは市町村の負担割合を増やし地方財政を大きく圧迫するものです。陳情項目の、現行の生活保護への国庫負担は削減しないこと。に賛成です。
生活保護基準は、不十分な面をもちながらも、憲法に明記された「健康で文化的な最低限度の生活」に必要な生活費の基準となっています。さらに、税金の課税最低限を決める大事なものさしになっており、就学援助の適用基準や公営住宅家賃の減免基準としても使われています。その引き下げは、生活保護世帯だけの問題ではなく、国民生活全体の切り下げにつながるものです。 審議のなかで、生活保護を受けないでがんばっている人もいる、との意見もありました。生活保護基準の引き下げはそのようなボーダーラインの方が、課税額が増えるなどのいっそうの負担を強いられ、これまで受けられたサービスが受けられなくなるなど、国民全体
に影響があるのです。生活保護受給者だけの問題ではありません。
多摩市議会では、この3項目を含んだ意見書を、内閣総理大臣などに出して
います。羽村市でも陳情を採択し意見書を提出することに賛成です。
◎「生活保護基準の引き下げと国庫補助の削減の中止を求める陳情書」は
新政会(自民系)、公明党、民主党などの反対で不採択となりましたが、
議員提案の意見書「生活保護費国庫負担金の負担率を引き下げないことを
求める意見書」が全会一致で議決されました。